【個別銘柄分析】九州電力(9508)

九州電力ウェブページより

株価情報

株価:823円
配当利回り:4.86%
(2021/11/12終値)

 現在の株価と配当利回りはYahoo!ファイナンスでご確認ください

トカゲ分析

 トカゲ分析の見方はこちら

配当利回り   ★☆
1株配当金推移  ★
EPS推移    ★
PER      ★

トカゲコメント:
九州地盤の電力会社。「発電・販売事業」、「送配電事業」、「その他エネルギーサービス事業」、「ICTサービス事業」及び「その他の事業」を事業セグメントとして展開。

各事業の内容は下記のとおり。
発電・販売事業:
 国内における発電・小売
送配電事業:
 九州域内における一般送配電
その他エネルギーサービス事業:
 電気設備の建設・保守、ガス・LNG販売、再生可能エネルギー、海外発電事業
ICTサービス事業:
 データ通信、光ブロードバンド、電気通信工事・保守、情報システム開発、データセンター

売上高に占める各事業の割合(2020年度実績、セグメント間の内部取引等消去前)は、発電・販売事業 67%、送配電事業 21%、その他エネルギーサービス事業 7%、ICTサービス事業 4%、その他の事業 1%。発電・販売事業の占める割合が圧倒的に大きい。

経常利益に占める各事業の割合(2020年度実績)は、発電・販売事業 N/A(経常損失)、送配電事業 50%、その他エネルギーサービス事業 30%、ICTサービス事業 12%、その他の事業 7%。売上高と異なり、経常利益では送配電事業が利益の半分を占めるが、経常利益率は5%。利益率トップはその他エネルギーサービス事業で10%である(その他事業を除外)。

政府の方針として示された「2050年カーボンニュートラル」の実現に意欲的であり、業界における、低・脱炭素のトップランナーとしての自負をもっている。

2021年5月にMSCIのグローバル・スタンダード・インデックス構成銘柄からの除外が発表され株価が急落。それ以降株価の低迷が続いている。その影響で配当利回りは、4%後半と魅力的な水準。

EPS推移は、2011-2014年の大幅マイナスから回復し黒字転換したが2019年に再度マイナスに転落。2020年からは再び上昇傾向。2011-2014年の赤字は、東日本大震災後に原子力発電所が全基運転停止となったからである。国の方針によるものであり経営側の責任とは言えない。震災後、九州電力の原発が国内で最初に再稼働した実績をもつ。2019年の赤字は、特重工事(特定重大事故等対処施設:福島の事故を受けて制定された新規制基準で設置が義務付けられた施設)のために川内原子力発電所が運転停止したため。

1株配当は、震災後の赤字を受けた無配から2015年には復配し、その後は順調に増配を繰り返してきた。2025年までのできる限り早い時期に2011年の配当額である50円への復配を目指しており、短期的には増配を期待できる。

PERは業種平均と比べてかなり割安である。

EPS推移のグラフを背景知識なしで見ると投資対象からは除外と考えてしまう危険がある。しかし、外部要因での赤字転落、そこからの再起の最終段階にあること、そして今後の成長については九電グループ経営ビジョン2030(ページ下段参照)の達成を信じられるのであれば買いか。経営ビジョンの内容はわかりやすく、目標数値達成に向けた戦略も具体的である。トカゲ自身は、現在ポートフォリオへの組入れは行っていないが、今回の分析を踏まえ段階的に購入の意向。電力セクターへの投資は現在J-POWERのみで、複数銘柄への分散を実現したいと考え、九電をトカゲ分析の対象とした。

基礎データ

  • 市場:東証一部
  • 業種分類:電気・ガス業
  • 時価総額:3900億円
  • 決算:3月末日
  • URL:https://www.kyuden.co.jp/

EPS推移

企業ウェブページのデータよりトカゲ作成 
単位:円

1株配当推移

企業ウェブページのデータよりトカゲ作成
2011-2014年度は無配。2011年度は50円
単位:円

PER比較

JPXウェブページよりトカゲ作成 
東証一部平均および業種平均は2021年6月時点

売上高推移

企業ウェブページのデータよりトカゲ作成
2021年度から「収益認識に関する会計基準」等を適用のため前年度以前との比較はできない
単位:百万円

中期経営計画

企業ウェブページより

「九電グループ経営ビジョン2030」を2019年9月に公表。その実現に向けた中間目標として、2021年度から5年間の具体的な実行計画である「2021年度 中期経営計画」を2021年4月に公表。

2025年度財務目標
連結経常利益1,250億円以上 vs. 2020年度実績 557億円
  内訳:国内電気事業750億円、成長事業500億円
・自己資本比率20%程度 vs. 2020年度実績 12.7%

九州電力ウェブページより

戦略
戦略Ⅰ エネルギーサービス事業の進化
・低炭素で持続可能な社会の実現に挑戦し、より豊かで、より快適な生活をお届けする
・具体的な取り組み
 カーボンニュートラルへの挑戦と低廉かつ安定的な供給
 お客さまのニーズに応じたエネルギーサービスの提供(料金プラン・サービスの提案など)
 海外事業の拡大(現在進出しているアジア・中東・米州に加え、欧州・アフリカ地域へ) など

戦略Ⅱ 持続可能なコミュニティの共創
・九州各県の地場企業として、新たな事業・サービスによる市場の創出を通じて、地域・社会とともに発展していく
・具体的な取り組み
 都市開発・まちづくり(都市部を中心に計画されている大型開発プロジェクトや、オフィスビル
 開発、マンション建設)
 ICTサービス
 インフラサービス(福岡空港・熊本空港に加え広島空港の運営事業) など

戦略Ⅲ 経営基盤の強化
・経営を支える基盤の強化を図り、九電グループ一体となって挑戦し、成長し続ける
・具体的な取り組み
 安全・健康・ダイバーシティを重視した組織風土
 働きがいのある職場を永続的に追求
 ESG経営の推進 など

株主還元
・2025年度までの可能な限り早期に50円復配
 ※東日本大震災で赤字転落する前の2011年度年間配当が50円だった
・将来的には、安定配当を基本としつつ電気事業外の成長を踏まえて、株主還元の更なる充実を図る

2030年度経営目標
連結経常利益1,500億円
 内訳:国内電気事業750億円、成長事業750億円
・総販売電力量1,200億kWh
・九州のCO₂削減必要量の70%の削減に貢献
・トップレベルの電気料金の永続的な追求

コメント