【個別銘柄分析】日本郵船(9101)

日本郵船ウェブページより

株価情報

株価:8,040円
配当利回り:8.71%
(2021/8/13終値)

トカゲ分析

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配当利回り   ★
1株配当金推移  ★☆
EPS推移    ★
PER      ★

トカゲコメント:
海運事業を主に、航空運送と物流も手掛ける国内トップの海運会社。

今年度の通期業績予想を8月4日に上方修正。それと同時に今年5月に発表していた年間配当予想200円を、なんと3.5倍の700円と発表したため予想配当利回りが急上昇した。
株価も爆上げしたが、未だに予想配当利回りは8%台をキープしている。

通期業績予想の上方修正はシンプルに業績が好調なため。輸送需要が旺盛であることと、運賃が上昇もしくは高止まりしていることが要因。

第1四半期(2021/4/1-2021/6/30)の経常利益1,536億円のうち1.067億円がOCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.(ONE社)からの持分法による投資利益である。ONE社は、2017年に定期コンテナ船事業の統合を目的として、日本の三大海運会社である商船三井と川崎汽船と設立した合弁会社。

海運業は、景気や運賃市況の影響を大きく受ける業界で、売上高推移やEPSにもそれが顕著に現れている。長期的に安定的に配当を得るというトカゲの投資目的には合致しない。したがって、トカゲ自身はポートフォリオへの組入はおこなっていない。

現在の高い配当利回りは魅力的だが、将来起こりうる世界的な景気後退局面での株価下落には注意が必要と考える。

基礎データ

  • 市場:東証一部
  • 業種分類:海運業
  • 時価総額:1.3兆円
  • 決算:3月末日
  • URL:https://www.nyk.com/

EPS推移

企業ウェブページのデータよりトカゲ作成 
単位:円

1株配当推移

企業ウェブページのデータよりトカゲ作成 
単位:円

PER比較

JPXウェブページよりトカゲ作成 
東証一部平均および業種平均は2021年6月時点

売上高推移

企業ウェブページのデータよりトカゲ作成 
単位:百万円

中期経営計画

企業ウェブページより

2018年3月に中期経営計画「Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green」を発表している。

3つの基本戦略
1. ポートフォリオの最適化
海運業は船の運賃の変動(運賃市況)に大きく影響を受ける。
変動の影響をなるべく受けないような事業ポートフォリオを確立する。
・ドライバルク事業を抜本的に見直し、収益構造を改善
・コンテナ船事業の統合で、効率化とスケールメリットを追求
 *ドライバルク事業とは、ばら積み船による石炭、鉄鉱石、穀物、製紙原料などの原材料輸送サービスのこと

2. 運賃安定型事業の積み上げ
運賃安定型事業とは、物流、自動車船/自動車物流、LNG、海洋事業のこと。
これら事業の強化によって、安定的な収益構造を確立する。
・物流事業では、成長産業と新興市場を核に総合物流サービスを拡大
・自動車船/自動車物流では、デジタル技術を活用した効率化
・LNGでは、新興国需要への対応強化と船舶用LNG燃料の供給・販売事業推進
・海洋事業では、投資先を厳選して重点投資、新規事業への参画

3. 効率化と新たな価値創出
日本郵船の中核となる強みと世の中にある事業化要素を組み合わせて新たな価値を創出する。
・最新のデジタル技術を駆使してサプライチェーン全体を最適化
・洋上風力発電やバイオマスなど再生可能エネルギーをテーマに新たな価値を創出

利益・財務目標
2022年度を目処に下記数値達成を目標とする
・経常損益         700-1000億円 vs. 2021年3月期実績 2,153億円
・ROE           min 8.0%    vs. 2021年3月期実績 25.6%
・自己資本比率       min 30%    vs. 2021年3月期実績 29.4%
・Debt Equity Ratio (DER) 1.5倍以下    vs. 2021年3月期実績 1.52倍

2021年3月期実績では、経常損益とROEは目標達成、自己資本比率とDERはあと少しという状況。

株主還元
配当を主とし、連結配当性向25%を目安とすることを利益配分に関する基本方針とする。

一方、直近の決算短信では次のように記述されている。

「当社は株主の皆様への安定的な利益還元を経営上の最重要課題の一つとして位置付け、連結配当性向25%を目安とし、業績の見通し等を総合的に勘案し利益配分を決定しています。合わせて、業績の変動に左右されない最低限の配当を継続することを基本とし、1株当たり年間20円を当面の下限金額としています。」

配当性向は過去実績を見ると非常にばらつきがある。2018年3月期に8.5%、2021年3月期は88.3%といった具合。2019年3月期は純利益が赤字だったが、下限値20円の配当を行っている。




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